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マイカー通勤途上やマイカーの業務使用時の事故について、会社の責任を問われることがあります。
特にルールを決めず、従業員のマイカー(私有車)通勤が慣行となっている会社もあるかもしれません。しかし、いざ事故が起きた時に確認すると、任意保険に未加入だったり、保険の更新を怠っていたりといったトラブルが後を絶ちません。後述しますが、会社責任に発展する場合もあるので、事前に「マイカー通勤許可申請書兼誓約書」を提出してもらいましょう。さらに、許可するに際し、任意保険の加入内容のチェックをはじめとした許可基準を明確にしてルール化すべきです。
●マイカー通勤やマイカーの業務使用における会社のリスクや、事故が発生した場合の会社の責任を理解しましょう。
●マイカー通勤を会社の許可制とし、保険加入を絶対条件とするルールを明確にしましょう。
①マイカー通勤のみに使用していた場合
会社が運行供用者として、あるいは使用者として損害賠償責任を負うことは、原則としては考えられません。しかし、通勤途上に顧客先に立ち寄るなど業務性を帯びる場合は、会社も責任を負わなければならないこともあります。
②マイカー通勤のみならず業務にも使用していた場合
会社に運行供用者あるいは使用者責任が生じる余地があります。しかし、会社がマイカーの使用を禁止していたにも関わらず、従業員が無断で使用して事故を起こした場合、会社の使用者責任が無いとした裁判事例もあります。
会社に損害賠償責任があるか否かは、①日ごろからマイカーを会社の業務に使用していたか否か、②その事故が通勤、業務中、私用のうち、いつ発生したのか、③会社がマイカー使用を明確に禁止していたか否か、④会社がマイカーの使用を禁止していても放任または黙認していたか否か、などの諸事情を考慮して判断されます。
第●条 マイカー使用上の遵守事項
1.マイカー(二輪自動車を含む、以下同じ)で通勤を希望する者(またはマイカー業務上使用を希望する者)は、「マイカー通勤(マイカー業務上使用)許可申請書兼誓約書」により、原則としてあらかじめ会社の許可を受けなければならない。
2.前項の申請をする者は、次の書類を添付しなければならない。
(1)運転免許証の写し
(2)任意保険書類の写し
(3)自動車検査証の写し
3.前項第2号に定める任意自動車保険に関しては、次の条件で加入しなければならない。
(1)対人賠償 無制限
(2)対物賠償 無制限
(3)搭乗者賠償 1事故につき○○○○万円
4.会社は運転者のマイカー通勤途上で発生した事故については一切責任を負わない。また、駐車中に発生した破損、盗難等によるマイカーの損害についても同様とする。損害に関しては運転者が加入する自賠責保険及び任意保険を適用する。
5.運転者の故意、または過失に起因する交通法規違反に対する罰金または科料は運転者本人が負担する。
6.マイカー通勤者は、会社の許可がある場合を除き、マイカーを会社の業務のために使用してはならない。(マイカーの業務使用を禁止する場合に記載)
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